質問と回答

カテゴリ 経営
質問項目 「住居用の部屋に、ハンドエステ店から入居希望があったのですが、どうすれ
ばいいのでしょうか?どんなリスクが想定されますでしょうか?」
質問内容 住居用を想定して建設した新築4F 重量鉄骨マンションの1F(1DK 約 30 平米)にハ
ンドエステのお店から入居希望の問い合わせがあり、事務所使用を許可するか迷っており
ます。

メンテナンス費用の増加に加え、セキュリティ上懸念(入居者以外がオートロックの中に
入る)の増加、エステ看板や表札による物件イメージの低下などの懸念点がありますが、
その他、注意しなければならない事項はございますでしょうか。

また、現在、賃料 7.35 万円、共益費 4000 円、敷金 1、礼金1で募集しておりますが、事
務所として貸す場合はどのように条件を変えたらよいか、アドバイスをいただけないでし
ょうか。

なお、エステの事業内容は、ハンドエステを1人でやり1人90分前後、1 日3~5人応
対、料金1万円前後とのことです。

不動産投資して初めての問い合わせがハンドエステからと想定外だったので、どのように
対応して良いか分からず慌てております。一般的には事務所使用不可としている物件が多
いので、断るのは簡単なのですが、間口を広げて考えなければならないのだろうと考えて
おります。どのように考えたらよいか、ヒントをいただけると助かります。宜しくお願い
します。
回答内容 入居希望のお申込みおめでとうございます!問い合わせが入るということは、きっとご質
問者さんの物件を気に入ってくれる人がいるということなので、とても喜ばしいことだと
思います。

さて、ご質問頂いた件ですが、この物件は自主管理の物件でしょうか。それとも管理会社
にお任せしている物件でしょうか。以下、管理会社にお任せしている物件として、とても
長くなってしまいますが、丁寧に回答させていただきますね。

まず、このハンドエステのお店がどのようなお店なのか、おしゃれなお店なのかどうかに
よっても違ってくると思いますが、メリット・デメリットを挙げてみたいと思います。

【メリット】

女性が好みそうなおしゃれなハンドエステなお店であれば、物件のイメージアップにつ
ながるメリットがあります。お店のスタッフが物件の回りを掃除してくれたり、綺麗な装
飾をしてくれるかもしれません。きっと看板も素敵なものでしょう。そして、お店が繁盛
すれば、女性の来店客も増え、「そこに住みたい!」と思ってくれる人も出てくるかもし
れません。他の部屋も女性の入居希望者が増えて、全体的にクリーンなイメージの物件に
なるでしょう。

【デメリット】

一方、デメリットとして、質問者さんが注意点として挙げているように、メンテナンス費
用の増加に加や不特定多数の人が出入りすることによるセキュリティ上懸念もあります。
違法駐輪や違法駐車による近隣とのトラブルにつながることもあります。

また、ハンドエステであればそんなに心配はいらないのかもしれませんが、住居専用の物
件に店舗を受け入れる場合、特に注意をしなければいけないのは、「騒音と臭い」です。
騒音については、スタッフやお客さんが歩く音、接客する声、器具を使う音、BGM、ドアの
開け閉めの音など、いろいろと懸念があります。昼間であっても夜のお仕事をされている
人であれば大迷惑となる可能性があります。土日は午後までゆっくり寝ている方も多いか
もしれません。そして、臭いについても、営業中の独特な臭いやゴミの臭いを不快と感じ
る方もいるかもしれません。

上記の他に、店舗を受け入れた場合、火災のリスクが高まり、火災保険が高くなったり(設
定の仕方を間違わないようにしてください)、消防点検と報告が必要になったり、売却時
に売りづらかったり、融資が付きにくかったりします。

以上のように良くも悪くもどのような店舗なのかによって、他の部屋の入居にも影響して
きてしまいます。なるべく受け入れる方向で考えた方がいいかなと私は思いますが、その
ためにリスクを極力減らした形で受け入れる具体的な方法を、下記に挙げておきます。

① 定期借家契約で契約する

普通借家契約ではなく、再契約型の定期借家契約で結ぶといいかなと思います。店舗は通
常 3 年と言われますが、2 年ぐらいの定期借家契約を結ぶといいでしょう。普通借家契約は
あまりにも入居者保護の強い契約です。万が一、受け入れたお店が悪いお店だった場合、
退去してもらうことが非常に難しくなってしまいます。もし可能であれば、初年度は 1 年、
次年度は 2 年といったように、徐々に契約期間を延ばしていくようにできれば、より安心
して契約を結ぶことができます。

ただし、定期借家契約を嫌がる管理会社や入居者もいます。嫌がる管理会社は論外として、
嫌がる入居者には魔法の案内方法があります。「もしこの建物にとても迷惑な方が入居さ
れたとして、普通契約だと退去して頂くことが難しく、このまま我慢して住んで頂くかあ
なたに退去してもらわなくてはいけなくなってしまいます。大家としては本意ではないの
で、迷惑な入居者には退去して頂き、長く安心して住んで頂けるように定期借家契約で結
んでいるんです」といった感じで、ご案内してみてください。

② 賃貸借契約の特記事項に、懸念事項をすべて挙げて事前に対処しておく
契約書の最後の方に「特記事項」を入れる欄があるかと思いますので、契約書にかかれて
いない、想定される懸念事項をすべて書き出しておくといいかなと思います。そして、万
が一、懸念事項が発生した場合どうするのか?という対応まで書くといいでしょう。

③ 必ず保証会社に加入してもらう

残念ながら設立5年で約85%の会社が廃業・倒産すると言われています。それだけ、滞
納が発生する確率も高くなりますので、必ず保証会社に加入してもらうようにして、リス
クを回避しておくといいでしょう。

④ 賃料設定について

そして、最後に賃料設定についてですが、すべて解説するとかなり長くなってしまうので、
以下検討事項として列挙しておきますので、管理会社に相談してみてください。新築の物
件ということなので、比較的高く設定してもいいかなと私は思います。

 賃料を事務所用の賃料を設け、住居より高い賃料を設定する

 敷金としていただくか、保証金としていただくか

 敷金 or 保証金を 3 ヶ月以上に設定する

 退去時に内装や造作(ぞうさく)をどうするのか

以上、解説がとても長くなってしまいましが、事業用の貸し方は居住用とはまったく異な
ります。管理会社に相談したり、インターネット等や回りの不動産投資家や大家仲間に聞
いてみるといいかなと思います。

そして、事業用としての貸し出しを避ける人も多いので、将来のために、ご質問者さんの
強みとしてノウハウを今の段階から蓄積していくのもいいかなと思います。

PDFファイル

ご覧の環境では、object要素がサポートされていません。
PDFファイルをダウンロードしてください