給料が上がっても実質は目減り?インフレ・金利と不動産投資|毎日3分!不動産投資メモ録 #4

【PR】 記事内にプロモーションを含む場合があります
給料が増えても物価上昇で実質購買力が目減りすることを解説する不動産投資メモ録#4のアイキャッチ

給料が2%上がった。しかし物価は4%上がった。数字だけを見れば「給料が増えた」と喜びたくなるが、買えるものは実質的に2%減っている。インフレや金利のニュースを読むとき、不動産投資家にも同じ落とし穴がある。本記事では、見た目の増減に惑わされず、実質的な手残りで考える重要性を整理する。

◆1.どちらが良い?

いきなりだが、質問である。

A.インフレ率4%のなか、給料が2%上がった

B.インフレ率0%のなか、給料が2%下がった

どちらが良いだろうか。実質的にはどちらも2%の給料下落なので、結果は変わらないはずである。

ところが、多くの人は給料上昇を喜び、給料下落を嘆く傾向にあるという。結果が同じでも、人は損失を嫌い、見た目の利益を好むからである。

給料が2%増えても物価が4%上がると実質購買力が2%減ることを示す図解
名目上の増加ではなく、物価を差し引いた実質で考える。

◆2.とある会社での実験

この傾向を確かめるため、行動経済学者がある会社で実験を行った。出典はダニエル・カーネマン『ファスト&スロー』である。

従業員を二つに分け、Aグループにはインフレ率0%のなかで7%の賃下げ、Bグループにはインフレ率12%のなかで5%の賃上げを告知した。

どちらも実質所得の変化は同じである。それでもAグループでは62%が「不当だ」と考えた一方、Bグループで不当だと考えた人は22%にとどまったという。見た目の賃上げ・賃下げが、受け止め方を大きく変えたのである。

◆3.実験結果から分かること

人間は、絶対的な数字よりも変化や差異で判断しやすい。同じ10度の川の水でも、極寒の冬には温かく感じ、真夏には冷たく感じるのと同じである。

この原則は富、名声、健康などにも当てはまる。インフレ下では、資産価格や給料が上がっていても、購買力や実質収支が悪化している可能性がある。私たち不動産投資家は「増えた」という数字だけでなく、何と比べて増えたのかを見る必要がある。

◆4.値上げラッシュ

昨年、息子の通うサッカースクールの月謝が8800円から1万1000円へ上がった。値上げ後、昔から通っていた子を含め、何人かがスクールを辞めた。

一方、妻からは「毎月、家族のお財布に入れているお金を増やしてほしい」と言われた。プロスペクト理論が身に染みる出来事であった。

大家にも同じ難しさがある。修繕費、保険料、金利、生活費が上がっても、長く住んでくれている入居者の家賃は簡単には上げにくい。資産価格が上がっていても、返済後キャッシュフローが減っていないかを確かめる必要がある。

サッカー月謝の値上げと修繕費・保険料・金利上昇に向き合う大家を描いた図解
家賃収入ではなく、経費と返済を引いた実質の手残りを見る。

◆5.2024年1月の日銀決定と現在

原文を書いた2024年1月23日、日本銀行はマイナス金利と大規模な金融緩和の維持を決めた。当時、メインバンクの支店長から「金利は上げられないですよ」と聞いたことも思い出した。

ただし、これは当時の記録である。その後、日本銀行は2024年3月にマイナス金利政策を解除した。金融政策は変化するため、投資判断では日本銀行の金融政策決定会合(公式)で最新情報を確認していただきたい。

不動産投資家が見るべきなのは、名目金利だけではない。物価を考慮した実質金利、修繕費を引いた実質家賃収入、返済後キャッシュフロー、金利上昇が出口価格へ及ぼす影響である。

プロスペクト理論に惑わされず、相対的な数字だけでなく、自分の生活と投資に残る実質的な価値を見ていきたい。

◆6.編集後記

当時、金融緩和が続けば株価が上がる可能性がある一方、円安によって円の価値が下がることも考えた。株で利益が出ても、それ以上に購買力が落ちれば、実質的な豊かさは増えていない。

政策の方向を断定するのではなく、数字の背景を確かめ、自分の手残りと暮らしにどう影響するかを継続して見ていきたい。

◆7.インフレ・金利と不動産投資のFAQ

Q1.物件価格が上がれば、資産が増えたと言えるのか?

名目価格だけでは判断できない。物価、売却費、税金、借入残高を考慮し、実質的な純資産が増えたかを見る必要がある。

Q2.金利上昇時に最初に確認する数字は?

返済額だけでなく、返済後キャッシュフローと返済比率を確認する。修繕費や空室率も厳しめに置き、金利上昇後も運営を継続できるかを試算する。

Q3.家賃を上げればインフレに対応できるのか?

市場家賃や契約条件、入居者との関係を踏まえる必要があり、経費上昇分をそのまま転嫁できるとは限らない。更新や募集の機会に、設備・サービスと合わせて検討する。

インフレと金利を実質で読むA4レポート

インフレと金利を実質値で読むための不動産投資A4レポート

音声で聴く

毎日3分!不動産投資メモ録 #4 日銀「マイナス金利解除見送り、大規模緩和を維持」決定

StandFMでこの放送を開く →

あわせて読みたい

原文:日銀「マイナス金利解除見送り、大規模緩和を維持」決定

数字の変化に惑わされない投資判断を身につけませんか?

不動産投資で人生を豊かに描くための考え方や、コラムでは書き切れない実践的な情報を、無料メルマガでお届けしています。

「ライフデザイン実践会」公式メルマガへ無料登録 →

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

30歳ど素人サラリーマンが不動産投資に挑戦して大失敗|地元では有名な○翼のボスの所有する手を出してはいけない物件だった。。|現在4棟40戸+5店舗所有|年間家賃収入2500万円|2012年脱サラ|投資家の集まるコミュニティを10年以上運営|不動産投資を手段の1つとして人生を自由に描くをモットーに活動中!|