不動産投資を始めたばかりの頃は、「次の物件を買いたいのに自己資金が足りない」という壁にぶつかりやすい。私自身も、潤沢な資金を持つ投資家としてスタートしたわけではなかった。
だからこそ、支出を減らすだけではなく、給与や家賃収入とは別の柱をどう作るかを考え続けた。そこで活用したのが、自宅の空き部屋である。
今回は、ホストファミリーとして外国人ホームステイを受け入れ、原文執筆時点で月10万円〜最大30万円の収入を得ていた実体験を振り返る。収入だけではなく、家族にとって思いがけない価値も生まれた方法である。
◆1.1stステージをどう乗り越えるか
不動産投資は、やり方さえ間違えなければ、物件が1棟、2棟と増えるほどキャッシュフローの積み上がる速度が上がり、自己資金不足を解消しやすくなる。
私のように、資産を十分に持たない会社員投資家として始めても、実績と信用が積み上がれば、銀行の側から融資を提案されるようになる。「プロパー」「保全の範囲内」「支店長決裁」といった言葉が出る段階になれば、銀行規定や案件次第では、自己資金を大きく減らさず物件を買える可能性も広がっていく。
しかし、そこへ至るまでの最初の1棟目から3棟目、スタートから5年ほどが勝負である。この苦しい時期をどう乗り越え、自己資金をどう作るか。給与以外の収入源を持つことは、その選択肢の一つであった。

◆2.収入の柱を複数作る②
前回は、不用品の売却によって自己資金を作った実体験を紹介した。家の中にある物を現金へ換える方法は、今日からでも始めやすい。
一方、難易度は上がるが、マイホームを数年ごとに買い替え、売却益を自己資金へ回す方法もある。原文では、2012年〜2018年頃に自宅を購入した人の中に、売却によって数千万円の資金を作った例があると触れている。
そして私が実践したもう一つの方法が、「自宅から収入を得る」ことであった。原文執筆時点で、毎月10万円〜最大30万円の収入を得ていた。3000万円ほどの一棟アパートのキャッシュフローと同程度になり得るため、自己資金作りへの効果は小さくない。しかも、すでにある空き部屋を活用するため、新たな物件を取得する費用はかからなかった。
ただし、誰にでも向く方法ではない。実行自体は難しくなくても、家族以外の人を自宅へ迎えることに抵抗を感じる人がいるからである。
◆3.自宅から収入を得る方法とは
私が行ったのは、外国人ホームステイを自宅に受け入れる「ホストファミリー」である。
自宅の空き部屋を使い、日本の大学へ留学する外国人学生、ラーメン修業に来る外国人起業家、長期旅行者などを受け入れる。知人の中には、リビングの一区画を区切って受け入れている人もいる。
私は、ホームステイに特化したサイトを利用し、原文執筆時点までの10年以上で、およそ40カ国・200人を超える外国人を自宅へ迎えてきた。
円安の影響もあり、当時は日本への滞在希望者から問い合わせが続いていた。原文で紹介した予約の一つは、空手修業のため5カ月滞在したいという30代のデンマーク人からのもので、滞在費は約60万円であった。
使っていない部屋をそのままにせず、人を迎える場所へ変えることで、自宅から自己資金を生み出すことができたのである。
◆4.ホストファミリーのメリット
「ホームステイの受け入れは大変そうだ」「トラブルが起きるのではないか」と心配する人もいるだろう。負担を抑えるには、受け入れ条件と生活上のルールを明確にすることが大切である。
私は、「未成年は受け入れない」「食事は提供しない」「べったり世話をしない」という方針にしていた。互いの生活を尊重し、できることとできないことを最初に伝えることで、日常の負担を増やさず受け入れを続けてきた。
そして、得られたのはお金だけではなかった。日常的に英語を使うことで語学力が伸び、子どもたちにとっても国際交流の機会になった。
世界中に家族のようなつながりが増え、海外旅行の楽しみも広がった。将来、子どもたちが海外留学をするときに支え合える関係になる可能性もある。原文執筆の前年には、かつて受け入れた人の結婚式へ招かれ、家族でフランスを訪れた。一般的な観光旅行だけでは得られない体験であった。
高い授業料を払って英会話スクールへ通っていた頃を思い出すと、暮らしの中で言葉と文化を学べる価値は大きかった。控えめに言っても、私にとってホストファミリーはとても良い経験であった。

◆5.人の行く裏に道あり花の山
今回紹介した「自宅を売却して資金を作る方法」と「ホストファミリーとして空き部屋から収入を得る方法」は、どちらも自己資金不足の解消へ大きく貢献し得る。
一方で、家族がいる場合には家族の理解と同意が欠かせない。「自分には無理だ」と感じる人が多い方法でもある。
しかし、人が抵抗を感じて実行する人が少ないからこそ、機会が残っているとも考えられる。投資の世界には「人の行く裏に道あり花の山」という言葉がある。周囲と同じ方法だけを探すのではなく、自分と家族が納得できる範囲で、今ある住まいや経験を別の価値へ変えられないか考えてみたい。

音声で聴く|毎日3分!不動産投資メモ録 #9
今回の内容はStandFMでも聴くことができる。
◆6.編集後記
原文では、次回に「収入の柱を複数作る③」として、2020年から始めた元手0円の方法を紹介する予定であった。
ところが、翌日のコラムに記された通り、この記事は楽待での反応があまり伸びず、収入の柱を複数作る話はいったん終えることになった。一方、StandFMでは聴取率が約2倍に伸びたという。
同じ内容でも、届ける媒体によって反応は異なる。だからこそ、文章と音声の両方を通じて、必要としている人へ実体験を届けていきたい。
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