◆ 不動産業者の選びはとても重要
前回の記事では、高値売却には成功の方程式「高値売却成功=物件スペック×戦略×不動産業者」の重要な要素の1つでる「3つの戦略」について解説しました。
まず1つ目の戦略は「売却価格の明確化」するということです。なんとな〜く「このぐらいの金額で売れたらいいなぁ」では売ることはできません。必ず「◯◯◯万円で売る!」と明確にすることから始めることが重要だとお伝えしました。
続いて2つ目の戦略は「タイミングを逃さない」ということです。市況、銀行の融資姿勢、物件の収支状況などなど、タイミングは様々あります。売却に最適なタイミングを逃さないようにしましょう。
最後に3つ目の戦略は「販売PR準備」です。あなたにしか分からない売却物件の特徴やメリットがあります。営業マンがお客さんに提案する際に使える販売PR資料を準備しておくのです。
このように高値売却を目指すのであれば、売却を不動産業者任せにせず、自身で戦略を立てて売却活動することが高値売却成功につながるのです。信頼できる先輩大家にアドバイスをもらうなどしながら、じっくりと戦略を練っていきましょう。
そして、高値売却成功に重要な要素のもう1つ「不動産業者」について、売却に強い不動産業者の選び方と売却依頼時の重要なポイントについて解説していきます。
◆ 売却に強い不動産業者選び3つのポイント
売却を依頼する不動産業者の選び方はとても重要です。いくら物件スペックが良くても、いくら立派な売却戦略を描いても、不動産業者選びを1歩間違えると高値売却できません。
そこで、不動産業者選びについて3つのポイントをお伝えします。
1.投資用マンション売却を得意とする不動産業者を選ぶ
以前にもお伝えしましたが、一言で不動産業者と言っても得意・不得意があります。
それにも関わらず、投資用マンションを売るために、投資用物件を扱ったことの無い不動産業者に売却依頼してしまう人が跡を絶ちません。骨折を治療するために歯医者に行く人はいくようなものです。高値売却できるわけもありません。
必ず投資用マンション売却を得意とする不動産業者を選ぶことが重要になるのです。
2.大手だからといって売却が得意なわけではない
また、どの不動産業者に売却依頼していいか分からない人がやりがちなのが、大手不動産業者に売却依頼することです。
「名のしれたところだから売却に強いだろう」「大手だから様々なネットワークがあって売ってくれるだろう」という思い込みは危険です。大手の場合、営業マン一人ひとりが抱えている売却物件数も多くなりますので、売りやすいものから売ろうとします。
ところが、あなたが売ろうとしている投資用マンションは簡単には売れない物件です。売りにくい物件は後回しにされ、あなたの物件売約を第一に考えて売却活動してくれない可能性が高いのです。
そのため、あなたの投資用マンション売却を第一に考えて売却活動してくれる信頼できる不動産業者を探すことが重要になってくるのです。
3.あなたの物件を買いたいと思う人を顧客に抱える不動産業者
あなたの投資用マンションを買いたいと思う人は誰でしょうか?
たとえば、サブリース付の投資用マンションを売却しようとしても、サブリース付物件に融資してくれる銀行は限られるため、融資を使って買おうとする買い手にはなかなか売れません。現金一括でバンと買ってくれるようなお客さんを多く抱えている不動産業者を選ぶ必要があります。
このように、あなたの投資用マンションを買ってくれるのはどんな買い手なのかを考えて、その買い手を顧客に持つ不動産業者を探すことが重要になるのです。
◆ 売却依頼時に重要な3つのポイント
信頼できそうな不動産業者が見つかったら売却依頼をするわけですが、売却依頼する時に重要になってくるポイントは主に3つあります。
1.「一般」or「専任」どっちがいい?
売却依頼する際に不動産業者と結ぶ契約の種類は「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の3種類があるのはご存知通りです。実務上、専属専任媒介契約を選ぶことはほぼ無いので、「一般媒介契約」or「専任媒介契約」のどちらかになります。どちらが良いのでしょうか?
「専任媒介契約」はレインズ登録義務がありますので(守らない業者もありますが)、あなたの物件がレインズに登録されることになります。あなたなの投資用マンションが、どの不動産業者も積極的に売りたくなるような良物件であれば、レインズに登録して幅広く認知され方が良いです。
ただ、売りにくい難あり物件の場合は、レインズに登録して広く公開されるよりも、ズバリな顧客に「非公開物件」「ここだけの物件」として紹介した方が売りやすいと不動産業者は考えます。そのため理想は、あなたの投資用マンションを買ってくれるズバリな顧客を抱える不動産業者を見つけ出し、「一般媒介契約」で売却依頼することです。
2.期限を区切る
売却に強い不動産業者を見つけて依頼することが重要だと言いましたが、実際は売却依頼してみないと本当に売却に強いかどうか分からない場合がほとんどです。タイミングもありますし。
また、売却は「売出しの3ヶ月間が勝負」とも言われます。売り出してから3ヶ月経っても問い合わせが無ければ、1年待っても2年待っても期待はできません。営業マンもあなたの物件を後回しにするようになってしまいます。
そのため、売却依頼時は必ず「期限を区切る」ことが重要になってきます。
そして、「期限内に売れなければ別の不動産業者に依頼するかもしれない」ということを伝えて、お互い期限を意識しながら売却依頼をしておくことが重要になるのです。(なお、専任の場合は有効期限3ヶ月と決められています)
3.報告があるか?
売却活動において、「問い合わせがどのくらいあるのか」「どんな交渉が入っているのか」といった販売状況を常にウォッチすることはとても重要です。場合によっては戦略を立て直す必要もあるからです。
そのため、定期的な報告があるかどうかを売却依頼時に必ず確認するようにしましょう。
一般の場合は報告義務はありませんので、販売状況の報告はどのくらいの頻度でどのように報告されるのかを売却依頼時に確認しておくと良いでしょう。「うちは1週間に1度報告してますよ」というような不動産業者に売却依頼するのが良いでしょう。
また、専任の場合、依頼者への販売状況の報告義務が「2週間に1回以上」と決められているのですが、売却依頼をしたものの一向に販売状況の報告が無いといったことがあります。定期的に報告があるかどうは要確認です。
◆まとめ
以上のように、不動産業者の選び方と売却依頼時のポイントについて解説をしました。
あなたの投資用マンションを高値売却するためには、信頼できる不動産業者選びは欠かせない重要なピースの1つです。ところが、売却する不動産業者選びを間違ってしまっている人が少なからずいます。
最悪なケースでは、投資用マンションを高値掴みさせられたどころか、売却でも不動産業者の言いなりになって大きな損失を出さざる負えなくなっている人を見ます。不動産業者選びと売却依頼方法を間違ってはいけないのです。
親身になって売却相談に乗ってくれるだけでなく、あなたの投資用マンションを買ってくれるようなズバリな顧客を抱えていて、適切な売却依頼をすることがとても重要なのです。
次回はいよいよ最終回。ここまでのことを総括しながら、「高値売却に成功した人の共通点」についてお伝えします。
(第11話につづく)