【第11話】修繕費を決める重要な考え方とは?

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【第11話】修繕費を決める重要な考え方とは?
※この記事は実際の不動産体験をもとにしていますが、多少アレンジした「フィクション」として楽しんで頂けると幸いです。
目次

頭を悩ませながらも次のステップへ

 最近、頭をずっと悩ませていることがあった。毎朝の通勤電車から窓の外を眺めたり、仕事中のつまらない会議の合間にボーッと考えていた。日立市の競売物件の入札金額を決めるのに悩んでいたのだ。

 自己資金は300万円。融資を受けられる可能性のある金額は最大1,000万円。これを購入予算の上限(前回参照)としたのだが、肝心の入札金額を決められないでいた。最低入札額233万円~予算上限1,000万円の間でいくらにすべきだろうか。。。

 最低入札額233万円で落札できたのなら、これほど嬉しいことはない。満室になれば年間380万円もの家賃収入が入ってくるし、現時点でも5/7が入居中で280万円ほどの家賃収入が入ってくる。たった1年で元は取れてしまう。

 ただ、現実はそう甘くはない。他の人はもっと上の金額で入札してくるだろうし、きっと大勢の人が入札してくるだろう。

 そこで購入した教材にしたがって「①購入予算を決める」→「②利回りを決める」とステップを進み、次のステップへと進んだ。

◆ステップ③修繕費を考える

 次のステップでやるべきことは修繕費を考えることだ。物件は古くボロボロで大規模修繕は必須で、かなりのお金がかかることが想定された。修繕費を含めた利回りを考える必要がある。

 そこで、修繕費を考えるためにもう一度この競売物件を整理してみることにした。(※物件の写真は第9話で公開)

<競売物件のポイント>

ポイント①建物

・昭和53年築(当時築30年)、鉄筋コンクリート4階建て

・建物はかなり傷んでおり、屋根防水、外壁塗装、階段の補修は即座に実施する必要性がある

・日立駅から徒歩25分、日立製作所がすぐそばにあり立地は悪くはない


ポイント②部屋

・2DK ×7部屋、1部屋30平米前後

・7部屋中5部屋が入居中、家賃収入280万円/年(満室時380万円/年)、賃貸借契約書無し

・現在空室の部屋は退去したまま手つかずで、床も畳も壁も天井もキッチもすべてが汚い

・柱はところどころシロアリに食べられている跡がありボロボロの状態

・お風呂はバランス釜で使えるかどうかも分からない、

・トイレは和式で古い

・現在入居中の部屋も退去したら大掛かりなリフォームは必須


ポイント③土地

・土地の広さ117平米

・敷地内に駐車場無しのため、近隣で借りる必要あり

・駐輪場も無いが、自転車を置くスペースはある

・階段下に使われているかどうかも分からない貯水槽がお置かれている

◆修繕費の重要な考え方

 ここで修繕費についてとても重要なことが教材に書かれていた。それは、「いくら修繕にかかってしまうかではなく、いくら修繕にかけるかを考えなさい」とあった。つまり、着地を希望する利回りから逆算して、落札金額と修繕費を決めていくのである。

 年間家賃収入 ÷ 希望着地利回り = 総予算(落札金額+修繕費)

 これはとても重要な考え方だなと思った。今回の競売物件を計算式に当てはめると次のようになる。

<希望着地利回りと総予算の関係>

・利回り40% → 総予算950万円

・利回り30% → 総予算1266万円

・利回り25% → 総予算1520万円

・利回り20% → 総予算1900万円

・利回り15% → 総予算2533万円

 日立市という人口減少エリアであることを考慮して、4年で回収できる「利回り25%」を最終着地利回りとすることにした。満室想定で計算すると総予算1500万円となる。

 仮に落札金額を500万円とするならば、修繕費に1000万円に回すことができる。空室をリフォームするのに200万円かければ相当なリフォームができるだろう。2部屋で合計400万円。さらに、外壁塗装もざっくり400万円〜500万円ぐらいだろう。十分にいける!

 あとは「落札金額」を決めるだけだ。その金額で入札すればいいのだ!頭にかかっていた霧が徐々に晴れていくのを感じていた・・・

(第12話につづく)


◆編集後記

 以前にも書いたことがありますが、不動産競売は価格が安いことのほかに「購入したい金額を自分で決められる」というメリットがあります。自分で計算した利回りでガンガン入札し、ダメなら次の物件にいくだけでいいのです。

競売の魅力は、購入したい金額を自分で決められること!

 それだとなかなか落札できないような気がしますが、一般の市場でもそれは同じことです。この売り手市場において、大きな指値は滅多に通りません。それどころか無茶な指値をして怒られたり、出禁になってしまう可能性すらあります。

 だからといって、自分の軸をずらして妥協してしまったり、高値掴みをしてしまったら最悪です。そんなに遠くない将来に金利上昇や空室の増加で回らなくなるリスクを背負うことになります。売却するのに損切りが必要になったりもします。

 私が競売で購入したのはこの1棟だけなんです。ただ、競売はハナから除外していたり、「なかなか落札できないから」という理由で競売を諦めるのはあまりにもったいないのです。

 競売に挑戦してみて、いまはこのぐらいの値段じゃないと買えないのだなと市場の動向を把握したり、買取金額を決める練習として競売を利用するのもありです。そして万が一、市場よりも安い価格で落札できたらラッキーですよね!

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この記事を書いた人

30歳ど素人サラリーマンが不動産投資に挑戦して大失敗|地元では有名な○翼のボスの所有する手を出してはいけない物件だった。。|現在4棟40戸+5店舗所有|年間家賃収入2500万円|2012年脱サラ|投資家の集まるコミュニティを10年以上運営|不動産投資を手段の1つとして人生を自由に描くをモットーに活動中!|

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