◆目指す最終的なゴールとは?
前回は「1stステップ・失敗を受け入れる」とお伝えしました。失敗を受け入れて初めて失敗を取り戻すための行動へとつながります。スタートラインに立つことができるのです。
それでは、マンション投資で失敗した人が目指す最終的なゴールはどこになるのでしょうか?
最終的なゴールは「高値で売却すること」ではないでしょうか。なるべく損切り額を減らし、理想を言えば利益を出して売れたら良いですよね。できる限り高値で売却することが目指す最終的なゴールになります。
最初から売却することを諦めて、「最後まで持ち続けるしかない」という消去法的な選択をしてしまう人が時々いますが、それはNGです。前回の記事でもお伝えした通り、持ち続ければ持ち続けるほどリスクも増え、赤字幅が広がる可能性があるからです。
「そんなことは分かってるよ」「売却したくてもできないから困っているんじゃないか」と言う声が聞こえてきそうですが、高値売却するためには準備が必要なのです。いきなり売ろうとしてはいけません。
ここで絶対にやってはいけない行動は、「焦って売却」しようとすることです。不動産は売り急ごうとすればするほど、足元を見られます。値切られ損失は大きくなります。焦っては絶対にいけません。準備が必要なのです。
それでは、高値売却に向けた準備とはどんなことをすれば良いのでしょうか?高く売るためにはどうしたらいいのでしょうか?
なるべく高く売却するための方法とコツをお伝えしていきます!
◆どうやって売出し価格が決まるのか?
高く売るためには、売却価格が決まる仕組みを知ることが重要です。それでは、物件の価格はどうやって決まっているのでしょうか?
居住用の不動産の場合、近隣相場や過去の取引事例を参考にして値付けをする「取引事例法」が一般的です。「このエリアで同じような間取りの同じような築年数の部屋が2000万円で販売されているから、この物件も2000万円にしよう」といった値付け法です。
投資用マンションもこの取引事例法での値付けも参考にされますが、「収益還元法」によって売出し価格を決めます。簡単に言ってしまえば、「利回り」に合わせた値付けです。「このエリアで同じような間取りの同じような築年数の部屋が利回り6%で販売されているから、この物件も利回り6%にしよう」といった感じです。
たとえば、あなたの売出したい投資用マンションの賃料が8万円だとします。年間の家賃収入は96万円です。96万円を表面利回り6%で割り戻してあげると、1600万円となります。この1600万円が、収益還元法による売出し価格となります。
【収益還元法のよる売出価格の計算方法】
売出価格 = 年間家賃収入 ÷ 利回り
◆売出価格を高くするコツ
売却するための値付けが収益還元法によって決まっていることを知ると、どうすれば売出価格できるだけ高くする方法が分かりましたよね!?
そうです!「利回りを下げる」or「家賃を上げる」のどちらかしかないんです。とてもシンプルですよね。
たとえば、上記で例として出した現在の家賃が8万円・利回り6%の投資用マンションを売ろうと思ったら、収益還元法で値付けすると1600万円となったことを思い出してください。そこで、利回りと家賃を改善してみます。
質問① もし利回りを6%→5%と1%下げると、売出価格はいくらになるでしょうか?
質問② もし家賃を8万円→9万円と1万円上げると、売出価格はいくらになるでしょうか?
答えは、利回りを0.5%下げた場合は1600万円→1920万円に売値がアップ。家賃を1万円上げた場合は1600万→1800万円に売値がアップです。さらに、利回りを下げて家賃を上げることができると、なんとっ、1600万円→2160万円になります。560万円も差が出てくる可能性があるのです!(驚)
つまり、高値売却に向けた準備とは、ズバリ!「家賃を上げて利回りを下げる行動をすること」なのです。
◆失敗からの大逆転復活の2ndステップ
ところが、投資用マンションで失敗した人の中には、最初にいくら投資して、毎月いくらの家賃収入を得て、毎月払っているかを把握していない人もいます。サブリースや管理会社に丸投げというケースも多かったりします。
そこで、大逆転復活に向けた2ndステップは「現状の収支を把握する」となります。
まずはあなたの投資用マンションの現状をしっかり把握していきましょう。高値売却に向けた準備として、次のステップに進む前に以下の項目を整理しておきましょう。
◆まとめ
今回は、まず最初に目指すべき最終的なゴールを確認しました。目指す最終的なゴールは「高値売却」です。できるかぎり高い値段で売るために、準備を整えていくことの重要性をお伝えしました。
そして、高値売却のためには、まず最初に投資用マンションを売り出す時の価格を決めるカラクリを知ることが大切だとお伝えしました。投資用マンションの値付けは主に「収益還元法」によって決定されます。
高く売るためには「家賃を上げる」or「利回りを下げる」ことが重要なのです。つまり家賃はできる限り上げる、利回りはできるかぎり下げることが、高値売却の準備とコツとなるのです。
そこで、大逆転復活に向けた2ndステップは「現状の収支を把握」しておきましょう。現状が分からなければスタートラインにも立てず、ゴールにも向かえません。家賃は現状いくらで利回りが何%なのかを整理しておくことから準備していきましょう。
次回は、できる限り家賃を上げ、利回りを下げる方法についてお伝えしていきます。
(第4話につづく)