※この記事は実際の不動産体験をもとにしていますが、多少アレンジした「フィクション」として楽しんで頂けると幸いです。 |
◆毎日お宝物件探し
不動産投資の世界にどっぶりのめり込み、物件を探し始めてからあっという間に半年が経とうとしていた。当初自分たちが住む家を探していたのが、いつの間にか他人に貸すための家を探すのが日課になっている。
特に不動産競売の世界は奥が深く、いろいろな物件が売りに出されている。「3点セット(物件明細書、現況調査報告書、評価書等)」には、さまざまな人たちの浮き沈みの人生が描かれており、食入るように読んだ。
楽しい!楽しい!今では不動産が面白くて仕方ない。サラリーマン業そっちのけでお宝探しをするかのように、毎日毎日物件探しのために様々なサイトをチェックしていた。
◆わたしが自宅購入をやめた理由
一方、不動産投資に興味を持つきっかけとなったマイホーム探しは、すでにどうでもよくなっていた。というよりも、家を買うのはやめて「賃貸」に住むことにしたからだ。
1つ目の理由としては、今ある貯金をマイホーム購入で使ってしまうのはもったいないと考えたからだ。マイホームを買えば新しい家具も家電も欲しくなる。購入費用だけでなく税金などの毎月の支出も増える。今はできるだけ支出をおさえ、収益物件の頭金に回したいと考えていた。
2つ目の理由としては、会社からの補助。なぜかマイホームを購入した途端、補助金額少なくなってしまうからだ。賃貸の場合は毎月5.8万円の補助が支給されるが、家を購入すると2.5万円に減額されてしまう。3.3万円の減額はでかい。
3つ目の理由(これが決定的だった)としては、何よりここで自宅を購入してしまえば、一生サラリーマンをやめられなくなると考えたからだ。自宅購入のために◯千万円と借金を追うことになれば、会社をやめらない。定年まで住宅ローンを支払い続けることになってしまう。それだけは絶対に避けたい。
こういった理由からマイホーム購入をいったんあきらめ賃貸に住むことを決めた。「将来子供も産まれるだろうし、それからまたマイホームを買うかどうかを一緒に考えよう」と伝えたところ、妻も同意してくれた。
◆お得に家を借りる方法
「特優賃(特定優良賃貸住宅)」という言葉を聞いたことありますか?
そして、不動産を勉強していく中で、賃貸について普通に借りるよりもずっとお得に家を借りる方法があるということを知った。その方法は、なんとっ!?を分譲マンションと同じような仕様のマンションにお得に住めて、さらに家賃負担を軽減してくれる家賃補助まで出る制度があるというのだ。
それは、「特優賃(特定優良賃貸住宅)」という制度だった。
「特優賃とはどんな住宅?」
特定優良賃貸住宅(以下、特優賃)とは、良質な住宅を軽い負担で借りられる、公的賃貸住宅制度。「特定優良賃貸住宅の供給の促進に関する法律」に基づき、土地のオーナーが都道府県や住宅金融公庫などの資金を利用して良質な住宅を建設し、主に中堅所得ファミリー層向けに供給される賃貸住宅のことです。
よく聞く「都民住宅」とは、東京都の特優賃物件のこと。「UR」と「公社」住宅の違いは運営母体です。
入居者は、入居する世帯の所得額に応じて、住宅の本来家賃(契約家賃)の一部を国や県または市が補助し、入居者の家賃負担を軽減する家賃補助を受けることができます。
なお、この家賃補助は、入居後から毎年一定率で減少し、入居者負担額が本来家賃に追いつくまで最長で20年間にわたり実施されるというもの。またほかにも、礼金・仲介手数料の免除、更新料ゼロなどのメリットが得られます。
ただし、申し込みにあたっては収入および入居条件の基準をクリアすることが必要。これら収入基準や入居条件等は各自治体の特優賃制度により異なるため、確認が必要となります。
(SUUMO(スーモ)サイトより)
◆良い物件を発見!
特優賃のなかでも、東京都には「JKK東京(東京都住宅供給公社)」という100%東京都が出資している組織があり、全物件、礼金・仲介手数料・更新料 一切なしで借りることができる。
(JKK東京ホームページより)
JKK東京のサイトをくまなくチェックしていたところ、ついに良い物件を見つけた!各駅停車のみ停まるマイナーな駅とはいえ駅徒歩4分。最上階の7階で、70平米の2LDKの分譲仕様のマンションだ。二人で住むには十分すぎるほど広い!
やがて妻が出産し育休に入ると世帯収入も低くなるため、家賃補助額が増え毎月の支払い家賃が14万円→12.6万円に下がる。これはとても嬉しい仕組み。毎月の生活費の中で大部分を占める家賃を減らすことができれば、収益物件を買うための資金作りもできる。
妻と話し合い、すぐにこの家に住むことを決めた。これで不動産投資を本格的に進めていくための準備が整った。「後は良い収益物件を見つけるだけだ!」少しづつ少しづつではあるが、前に進んでいることを実感した。
(第6話へつづく)
◆編集後記
不動産投資でどこを目指しますか?
不動産投資の最終的なゴールは人によって違うかとは思いますが、まず目指すところとしては「給与収入が無くなってもキャッシュフローだけで食べていける」ラインだと思います。
そこで、日本の一般的な家庭では、毎月どのくらい生活費がかかっているかを調べてみました。
家族4人の毎月の支出はいくらぐらい???
総務省統計局の統計データ「家計調査報告書(家計収支編)令和3年(2021年)」によると、一般的な4人家族(夫婦+子供二人)の1ヵ月あたりの生活費はおよそ「28万円」と報告されています。
内訳は以下の通りです。
【4人家族(夫婦+子供二人)のひと月あたりの平均生活費】 ・飲食費 82,912円 ・住居費 18,388円 ・水道光熱費 40,056円 ・家具・家事用品 13,190円 ・被服および履物 12,444円 ・保健医療 12,401円 ・交通費 4,605円 ・通信費 14,117円 ・教育費 29,321円 ・教養娯楽費 31,766円 ・その他 44,597円 消費支出合計 285,409円 |
ここで多くの方が疑問に感じると思うのが「住居費」の安さ。住居費が1.8万円って安すぎですよね!?調べてみると、住居費が少ない理由は「賃貸に住んでいる人が少ない」く、住宅ローン返済費は消費支出ではない(???)ため、住居費には含まれていないそうなのです。
そのため、実態としては「28万円+家賃 or 住宅ローン」が、一般的な支出として近そうです。都心で月38万円~48万円、地方で月35万円~43万円といったところでしょうか。
つまり、「毎月50万円」あれば、家族4人で一般的な家庭と同じぐらい生活はできそうです。「毎月CF50万円」を目指すのが、とりあえずのゴールになります。そこから拡大するかどうか、あとはその人次第ですね。
まずは「毎月CF50万円」を目指すのがゴールですね!